暖かくなると、冬ほど腰痛をイメージしない方も多いかもしれません。
ただ実際には、この時期に腰の重さや動きにくさを感じる方は少なくありません。
冷房の効いた職場や電車にいると腰が固まったように重だるくなり、立ち上がるときに腰が伸びないといった違和感を感じている方もいるのではないでしょうか。
冷房による腰痛というと、単純に冷えたから痛くなったと考えられがちです。
もちろん、冷えそのものも無関係ではありませんが、僕はそれだけではないと考えています。
冷房によって体が冷えることに加えて、同じ姿勢が続く、運動量が減るなどの生活習慣による要因や外との温度差で体が緊張しやすくなることなどが重なり、腰に負担が集まりやすい状態が作られていることが多いからです。
つまり、冷房環境の中で腰痛が悪化しやすい条件がそろいやすいということです。
今回は、冷房で腰痛が悪化しやすい理由を整理したうえで、自分でできる簡単なセルフケア、そして鍼灸整体という選択肢についてお話ししていきます。
1.なぜ冷房で腰痛が悪化しやすいのか
まず前提として、腰痛は一つの要因だけで説明できるものではないことが多いです。
冷房による腰痛も同じで、
冷え
筋肉のこわばり
血流の低下
同じ姿勢の持続
運動不足
疲労の蓄積
こうしたものが重なって起こっていることが少なくありません。
冷房が効いた環境に長くいると、体の表面や筋肉は冷えやすくなります。
筋肉は冷えると動きが鈍くなりやすく、柔軟性も落ちやすくなります。
すると、いつも通りに動いているつもりでも、腰まわりの筋肉や関節には普段より負担がかかりやすくなります。
さらに、冷房が効いている環境では、無意識に体が縮こまりやすくなることがあります。
お腹まわりを守るように力が入り、腰や背中の筋肉も緊張しやすくなります。
こうした状態が続くと、腰に負担がかかりやすくなっていきます。
もう少し詳しく深ぼっていきましょう。
実際に、暑くなってからの時期の腰痛でご相談いただく方を見ていると、いくつか共通する状態があります。
一つは、腰やお腹まわりが冷えていることです。
ご本人も、お腹を触ると冷たい、腰が冷える感じがする、とおっしゃることがあります。
二つ目は、長時間の座り姿勢です。
デスクワーク、運転、在宅ワークなどで座る時間が長い方は、股関節まわりが固まりやすく、腰の動きに頼りやすくなります。
三つ目は、首肩も含めて全体的に緊張が強いことです。
冷房で体が縮こまりやすくなると、腰だけでなく首肩や背中までこわばりやすくなります。そうなると、呼吸も浅くなりやすく、余計に力が抜けにくくなります。
四つ目は、もともと腰に負担が集まりやすい状態があることです。
重心の位置が偏っている、股関節が動きにくい、背中が硬い、太ももの前側に力が入りやすいなど、もともと腰に負担がかかりやすい体の状態があると、冷房の影響でそれが表面化しやすくなります。
このような背景も含めてケアをしていくことが、腰痛改善のポイントになると考えています。
2.簡単にできるセルフケア3つ
ここからは、冷房による腰の不調に対して、自分でできる簡単なケアを3つお話しします。
①腰やお腹を冷やさないこと
かなり基本的ですが、ここは大切です。
冷房が強い場所に長くいる方は、薄手でもよいので一枚羽織る、お腹を冷やしすぎない、必要に応じて腰まわりを守る工夫をすることをおすすめします。
冷房は職場や公共の場だと自分で調整できないことも多いです。
飲み物に関しては、シンプルに暑い状況であれば冷えているもの、ちょうどいい状況なら常温、寒いなら暖かいものとしてみるといいでしょう。
無理に全てをHOTにする必要はありません。
冷やさない工夫を自分で持っておくことが大切です。
②長時間同じ姿勢を避けること
この時期に限ったことではありませんがこれもかなり重要です。
良い姿勢と呼ばれる形であっても、同じ姿勢が長く続けば腰への負担は増えます。
状況によっては、難しいこともあると思いますが、意識を頭に入れておくだけでも変わると考えます。
③股関節や背中を良く動かすこと
腰がつらいと、腰そのものをどうにかしようとしがちですが、実際には股関節や背中の動きが落ちていることで、腰が負担がかかりすぎていることが多くなっています。
股関節周りのストレッチ(特に股関節の前側が忘れがちなので意識)
キャットアンドカウ(背骨周りのエクササイズ)
このようなエクササイズをおこなってみてください。
大切なのは、強く伸ばすことではなく、固まっている状態を少し動かしてあげることです。
3.セルフケアだけでは足りないこともある
もちろん、今お話ししたセルフケアはおすすめです。
ただ、やってもすぐ戻る方や、その場では楽でもまた同じように腰が重くなる方もいます。
また、疲れていてそもそも続かない…という方も多いでしょう…
そして、腰痛改善において重要となるポイントは、腰に負担が集まりやすい体の状態が背景にもアプローチすることです。
例えば、
股関節や背中が硬い
重心が偏っている
前ももやふくらはぎが張りやすい
全身の緊張が強く抜けない
このような状態のままだと、冷房による影響を受けたときに、腰周りへの影響がより強くなります。
ここで大切なのは、セルフケアによる温めることや緩めることを否定することではありません。
それだけで終わらず、なぜ腰に負担が集まっているのかも見る必要があるということです。
4.鍼灸整体の有用性
こうしたときに意味を持つのが、鍼灸・整体だと僕は考えています。
当院の整体では、腰だけでなく、股関節や背中、姿勢、重心の位置など、体全体の負担のかかり方を見ていきます。
腰に痛みや重さが出ていても、その背景にある要因を見ないまま、腰だけを揉んで終わると、また同じように腰に負担が集まってきてしまうため、体全体のバランスを整えていきます。
一方、鍼灸では、冷えや緊張でこわばった筋肉、血流、自律神経の働きにも目を向けることができます。
特に、冷房によって体が縮こまりやすい方や、腰だけでなく首肩まで緊張が強い方、休みたいのに力が抜けにくい方には、鍼灸で緊張をゆるめ、休まりやすい状態を作っていくことが意味を持つことがあります。
つまり、
整体
→負担のかかり方を見る
鍼灸
→冷えや緊張、血流や休まりにくさを見る
こうした視点を組み合わせることで、夏場の腰痛に対しても一つの場所だけではなく、複数の角度から整えていくことができます。
5.まとめ
日常生活による慢性的な負担に加え、冷房による冷えが重なることで、腰に負担が集まりやすくなります。
そのため、冷房で腰がつらいと感じるときは、単に冷えているだけと考えるのではなく、腰に負担が集まりやすい状態がないかも見直すことが大切です。
まずは
腰やお腹を冷やさない
できるだけ同じ姿勢を避ける
股関節や背中を動かす
こうしたことから始めてみてください。
それでも戻る場合は、腰だけではなく、体全体の負担のかかり方や緊張の状態まで含めて見る必要があるかもしれません。
冷房で冷えると腰痛が悪化しやすい
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