「お尻から脚の後ろ側にビリッと響く」「長く座ると足先まで痺れる」
そんな痛みやしびれは、坐骨神経痛と呼ばれる“坐骨神経(腰の神経根)に由来する足の神経痛”の可能性があります。
坐骨神経痛は症状の総称であり、原因(病名)は一つではありません。
代表的な原因は腰部椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症ですが、他にもあります。
① 一般的な解説(原因・症状)
● 坐骨神経痛とは
腰椎の神経根(腰から出る神経)や、神経の走行上で圧迫や炎症が起こることで、
お尻〜太もも〜ふくらはぎ〜足へ放散する「痛み・しびれ・感覚低下・筋力低下」が出る状態を指します。
多くは椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が背景ですが、まれに腫瘍や感染も原因になり得ます。
◯主な原因(代表例)
・腰部椎間板ヘルニア
椎間板の内部(髄核)が飛び出し、神経を機械的+化学的に刺激。若年〜中年に比較的多い。
・腰部脊柱管狭窄症
椎間板の変性、黄色靭帯の肥厚、関節の変形などで神経の通り道が狭くなり、神経の血流も阻害。中高年に多い。
・腰椎すべり症
腰の骨がずれて神経を圧迫。
・その他
外傷・腫瘍・感染など。
〔参考:脊柱管狭窄症との違い(かんたん比較)〕
・年齢:ヘルニアは若年〜中年にも多い/狭窄は50代以降に多い。
・姿勢:ヘルニアは前屈・座位で悪化しやすい/狭窄は前屈で軽快・後屈で悪化(買い物カートで楽)。
・歩行:狭窄は間欠性跛行(一定距離で脚がつらくなり前屈休息で回復)が典型。
※上記は典型例で、個々の症状は重なり合うこともあります。画像検査は方針が変わる見込みがあるときに専門設定で検討、が推奨されています。
◯神経走行上での圧迫(腰以外の原因)
・梨状筋症候群
お尻の筋肉「梨状筋」が硬くなり、その下を通る坐骨神経を圧迫。長時間座位やスポーツで悪化。
・殿部・太ももでの神経絞扼
坐骨神経が大殿筋・ハムストリングス周囲で圧迫されるケース。
・腫瘍・血腫・膿瘍
骨盤や殿部にできた腫瘍や血腫、感染による膿が神経を直接圧迫(頻度は低いが注意が必要)。
・外傷
骨盤骨折や殿部の外傷による神経損傷。
◯症状の特徴
・放散痛:お尻〜脚の後ろ側に「電撃痛」「焼けるような痛み」
・しびれ・感覚低下・筋力低下を伴うことがある
・誘発因子:咳・くしゃみ・いきみで悪化しやすい
・ヘルニア:前かがみや長時間座位で悪化しやすい
・狭窄症:立位・歩行で悪化し、前かがみで楽になる
◯参考:ラセーグ徴候(SLRテスト)
整形外科でよく行われる検査です。
・仰向けで脚を伸ばしたまま上げていき、30〜70度あたりで「腰やお尻から足にかけての痛み・しびれ」が出れば陽性。
・単なる太もも裏のストレッチ痛とは違い、「神経に沿った放散痛」が出るのが特徴です。
👉 坐骨神経由来の症状かどうかを見極める大きな手がかりになります。
② 一般的な治療・施術とその予後
・保存療法が第一選択
多くは数週〜数か月で改善。ヘルニア由来では飛び出した組織が自然に縮小していくケースも。
・保存療法の例
生活指導(安静にしすぎない)、薬物療法(NSAIDsなど)、リハビリ(体幹安定化・股関節可動性改善)、神経ブロック注射。
・手術適応
強い筋力低下・排尿障害(馬尾症候群)/保存療法で改善しない強い痛み。
👉 手術は短期的には有効ですが、長期的には保存療法と大差ないという報告もあります。
③ 当院の坐骨神経痛への考え方とアプローチ
(1) 鍼によるしびれへの作用
鍼は筋肉をほぐすだけでなく、神経の過敏さを抑える作用があります。
坐骨神経痛では、神経が圧迫され炎症や過敏化が進み、“しびれ信号”が過剰に出続けることがあります。
鍼刺激は、皮膚や筋肉を通じて脊髄や脳に届き、**エンドルフィンやセロトニン(鎮痛・鎮静物質)**を分泌させます。
これにより神経の過敏な活動が落ち着き、しびれや痛みが和らぎやすくなるのです。
👉 研究でも、腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛患者に対し、鍼でしびれや痛みが改善したと報告されています。
(2) 筋肉への手技的アプローチ
神経の周囲の筋肉が硬くなると、さらに圧迫や血流障害が強まり、しびれが悪化します。
当院では必要に応じて「筋肉への手技的アプローチ」を行い、筋緊張の調整・血流改善を図ります。
・筋肉がやわらぐと神経への圧迫が減少
・血流改善で酸素・栄養が届きやすくなる
・老廃物の排出が促進
さらに、皮膚や筋肉刺激により「ゲートコントロール効果(痛み信号をブロックする仕組み)」が働き、しびれ感覚自体が和らぐこともあります。
(3) 姿勢バランスと自律神経の調整
慢性化した坐骨神経痛では「中枢性感作(神経が敏感になる状態)」や「交感神経の過緊張」が関与していることがあります。
そこで当院では、
・姿勢調整で腰や不調部位にかかる負担を減らし、神経圧迫を起こしにくい状態をつくる
・呼吸法などを取り入れ、自律神経を整えて神経の過敏さを和らげる
・再発リスクを減らすために、日常生活に合わせたエクササイズも指導
👉 例えば「長時間座った後のしびれが軽減し立ち上がりがスムーズになった」「夜中のしびれで目が覚めにくくなった」といった改善例が実際にみられます。
まとめ
坐骨神経痛は「病名」ではなく、腰やお尻から足へかけての痛み・しびれを総称した“症状”です。
原因には椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった腰の病気だけでなく、梨状筋症候群など神経走行上のトラブルもあり、背景はさまざまです。
そのため、まずは医療機関で原因を見極めることが大切です。
一方で、多くのケースは保存療法を中心に改善が期待でき、鍼や筋肉への手技的アプローチ、姿勢や自律神経の調整を組み合わせることで「しびれを和らげ、再発しにくい体づくり」を目指すことができます。
「ただ痛みを抑える」のではなく、「なぜ症状が出ているのか」「どうすれば再び同じつらさに悩まされにくいのか」を意識したアプローチが、長期的な改善と安心につながります。
お悩みの方は一度ご相談ください。
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