① 一般的な解説(原因・症状)
産後は、妊娠・出産による身体の変化に加え、育児という新しい生活が始まることで、心身ともに大きな負担がかかる時期です。
そのため、多くの方が肩こり・腰痛・倦怠感など、何らかの体調不良を経験するといわれています。
産後の不調が起こりやすい背景には、主に次の3つの要因があると考えられます!
● ホルモンバランスの急激な変化
妊娠中に高かったホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)は、出産後に急激に低下します。
これにより、自律神経の乱れが起こりやすくなり、
・睡眠の質の低下
・頭痛
・気分の不安定
・全身の倦怠感
などの症状につながることがあります。
● リラキシンによる関節のゆるみ
妊娠〜出産期に分泌されるリラキシンは、靭帯をゆるめる作用があります。
産後も数ヶ月は影響が残るため、
・骨盤まわりの不安定感
・腰痛
・股関節・恥骨の痛み
が起こりやすくなります。
● 育児動作による負担
授乳・抱っこ・オムツ替えなどの姿勢は、前かがみの姿勢が増え、首肩・背中・腰に負担をかけます。
睡眠不足も重なることも多いため、回復が追いつかず慢性化しやすくなります。
● 産後に出やすい代表的なお悩み
・肩こり・首こり
・腰痛
・腱鞘炎
・骨盤の不安定感
・恥骨・股関節の痛み
・頭痛
・背中の張り
・倦怠感
・尿もれ(骨盤底筋の低下)
② 一般的な治療・施術とその予後
産後の身体は、出産前とは状態が大きく異なり、ホルモン・筋力・関節の安定性が回復途中の段階だと考えられます。
そのため、治療・施術は“適切なタイミングで適切な内容を行う”ことが重要になります。
● 産後1ヶ月まで
身体の回復を最優先する期間で、刺激の強い施術や運動は推奨されません。
軽いストレッチや呼吸調整など、負担の少ないケアが中心になります。
● 産後1〜3ヶ月
ホルモンや体力が徐々に回復してくる時期で、肩こり・腰痛・骨盤周囲の不調に対する施術が可能になります。
軽度の整体や鍼施術はこの時期から適応されます。
● 産後3ヶ月以降
身体の安定性が戻り始め、
・姿勢改善
・骨盤のバランス調整
・慢性的な肩こり・腰痛
へのアプローチが行いやすくなります。
予後
・産後の不調は「早期のケア」で慢性化を防ぎやすい
・授乳や抱っこの期間は負担が続くため、継続的なケアが症状の安定につながる
・自律神経の乱れを伴う場合、回復には時間がかかることもある
③ 当院の産後ケアにおける考え方とアプローチ
産後の体は、妊娠・出産を通して大きく変化します。
骨盤まわりの安定性が低下しやすく、抱っこ・授乳・寝不足などが重なり、肩こり・腰痛・背中の張りといった不調が起こりやすい時期です。
当院では、産後ケアを 「体に負担をかけず、今の生活の中で無理なく続けられるケア」 と考え、施術の強さと内容を慎重に調整しています。
● ⑴ 施術を開始できる時期
当院での産後ケアは 産後3ヶ月目以降 を目安にしています。
産後3ヶ月までは骨盤まわりの靭帯がまだゆるく、全身の安定性が不十分なため、
この時期は 骨盤まわりへの負担が大きい直接刺激は避けます。
ただし誤解のないように補足すると、
当院では3ヶ月以降も“強い押圧”や“無理な矯正”は基本的に行いません。
産後に限らず、普段の施術でも「体にかかる負担の少ないアプローチ」を重視しているためです。
● ⑵ 当院の施術方針
産後の不調は「骨盤だけの問題」ではありません。
抱っこ・授乳姿勢・寝不足・メンタル負荷・生活動作の偏りなど、
さまざまな要素が全身に複合的に影響します。
そのため当院では、
骨盤矯正にこだわるのではなく、全身のバランスを整えること
を大切にしています。
具体的には、
・肩甲骨まわりの緊張
・背中や肋骨の硬さ
・股関節の使い方の偏り
・抱っこで増える反り腰傾向
・睡眠不足による交感神経の過緊張
こうした「産後〜育児期に起こりやすい負担」を丁寧に整えることで、
肩こり・腰痛・背中の張り・疲労感などが和らぎやすくなります。
● ⑶ 子育て世代に合わせた「0を目指さない」メンテナンスという考え方
産後〜子育て中の体の不調に向き合うとき、
僕が一番大切にしているのは、次の考え方です。
「10のつらさを0にするのではなく、10を3にコントロールしていく」
これは決してあきらめや妥協ではありません。
むしろ、現実をきちんと踏まえた“前向きな選択”だと考えています。
■ なぜ「0を目指さない」のか?
理由はシンプルで、
産後〜育児期の生活は、体にとって想像以上の負担であり0を目指すことが現実的ではないからです。
・抱っこや授乳で肩や腰に負担
・まとまった睡眠が取りにくい
・自分の時間が圧倒的に少ない
・家事・仕事・育児が同時進行
・常に気を張っているため交感神経が過緊張
こういった状況では、
仮に施術でその場の状態が整っても、また生活で必ず負担が積み重なります。
つまり、“ゼロ”という理想をキープすること自体が構造的に難しい時期なのです。
これは「治らない」という意味ではなく、
あなたが悪いわけでもなく、
そのくらい産後子育てというのはすごいことであるということです。
だからこそ僕は、
“現実に即した回復ライン” を一緒に作ることが大切だと考えています。
■ 「3でコントロールする」とはどういう状態か?
これは、
・ラクに動ける日を増やす
・限界まで悪化しない状態を保つ
という意味に近いです。
具体的には、
・抱っこが少しラクになる
・起き上がるときの腰の重さが軽減する
・肩や背中の張りがピークまで悪化しない
・疲れをため込まずに次の日を迎えられる
・寝つきやすくなる日が増える
こういった、
“生活の質(QOL)が目に見えて上がる変化” を指しています。
現実的に、そして確実に、生活が過ごしやすくなる方向にコントロールしていく。
これが、当院の考える産後ケアのゴールです。
■ 理想と現実のギャップを埋めることが最重要
世の中には、正しいけれど“現実的ではないアドバイス”があふれています。
・「抱っこの姿勢を常に正しく」
・「睡眠の質を上げましょう」
・「週1回はメンテナンスへ」
言っていることは間違っていません。
ただし、実行可能かどうかは別問題です。
・抱っこすれば重心は偏る
・夜中に何度も起きれば睡眠の質は下がる
・通院したくても時間が取れない
この“生活のリアル”を無視して施術計画を立てると、
結局は続かず、結果的に苦しくなるでしょう。
そのため当院では、
「現実的に続けられる方法かどうか」を重視します。
■ 当院で多い実際のメンテナンス例
・月1回のメンテナンス
・+自宅で簡単にできるセルフケア(水分摂取など)
・必要に応じて鍼と整体を組み合わせる
このようなプランであっても、
・肩こりが悪化しにくくなる
・腰が抜けそうな感覚が減る
・育児の疲労感が軽くなる
・動きやすい日が確実に増える
という実感を得られる方が多いです。
■ 最後に
産後の不調は、あなたのせいではありません。
決して普通ではない、すごいことを日々こなしているのです。
目指すのは、
“ゼロにすること” ではなく、
“あなたの生活の中で無理なく続けられるベストラインを作ること”。
そのラインを一緒に探し、
育児というかけがえのない時間を
少しでも気持ちよく過ごせるようサポートさせていただきたいと考えています。
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