肩こりに悩んでいる方の中には、もみほぐしを受けた経験がある方も多いのではないでしょうか。
実際、肩まわりをほぐしてもらうと、その場では楽になったように感じることがあります。重だるさが軽くなったり、肩が上がりやすくなったりして、施術直後は良い変化を実感しやすいことも少なくありません。
ただ、その一方で、時間が経つとまた元に戻ってしまう。このような経験をされた方も多いと思います。楽になったはずなのに翌日にはまたつらい。あるいは、ひどい方では家に帰った時にはもう肩が重い。そのような状態が続くと、何が自分に合っているのか分からなくなってしまうこともあります。
実は、僕自身も施術を始めたばかりの頃は、肩こりに対してもみほぐしを中心とした施術を、とにかくしっかりほぐすことを意識しながら多く行っていました。
筋肉が張っていて硬いなら緩め、ほぐす。ごく自然な考え方だったと思います。
しかし、施術を重ねる中で感じたのは、もみほぐしだけでは肩こりが良くなるケースが思ったほど多くないということでした。その場では軽くなったと感じても、時間が経つとまた戻ってしまう。そのようなケースを何度も経験することになります。
そこから僕の中で、肩こりは本当に肩だけの問題、もしくは筋肉だけの問題なのだろうかという疑問が強くなっていきました。
辛い肩そのものを緩めることによって楽になってもすぐに戻ってしまうのはなぜか。もし原因が症状の出ている部分にあるのであれば、もっと変化が安定してもよいはずです。そう考えるようになってから、肩こりを見る視点が大きく変わっていきました。
今回は、肩こりがもみほぐしだけでは改善しにくい理由について、体のバランスという視点からお話ししていきます。一般的に言われていること、研究的に示されていること、そして現場で実際に感じていることを整理しながら、当院がなぜ全身整体を基本としているのかについてもお伝えしていきます。
1.もみほぐしで一時的に楽になるのはなぜか
まず最初に大切なのは、もみほぐしが全く意味のないものだと言いたいわけではないという点です。肩をもみほぐして楽になるという体感自体は、実際に多くの方が経験しているものです。
事実として、筋肉に対して機械的刺激を加えることで、局所の血流が一時的に変化したり、筋肉の緊張感が緩んだりすることは知られています。また、触刺激による感覚入力が増えることで、痛みの感じ方が変化することもあります。
実際にマッサージや手技療法に関する研究でも、短期的な痛みの軽減やリラックス効果が見られることが報告されています。
Field T. Massage therapy research review. Complementary Therapies in Clinical Practice. 2014
つまり、肩まわりをもみほぐすことで「楽になった」と感じること自体は、十分に説明できる現象です。
ただし、ここで整理しておきたいのは、一時的に楽になることと、状態の変化が安定することは同じではないという点です。これは肩こりに限らず、体の不調全般に言えることです。
例えば、床に傾いた机があったとして、その上に置かれている物がいつも片側に滑ってしまうとします。このとき、滑ってしまった物を毎回元に戻せば見た目は整います。しかし、机自体の傾きが変わっていなければ、また同じことが起こります。
肩こりもこれに近い部分があります。肩そのものを緩めることは、滑った物を元に戻すことにはなり得ますが、体全体の傾きや負担の偏りが変わっていなければ、また同じように肩に負担が集まりやすくなるのです。
ここで大切なのは、肩に症状が出ていることと、肩が原因であることは必ずしも同じではないという視点です。
2.肩こりは肩だけの問題ではない
肩こりを見ていく中で感じているのは、肩こりは単純に肩の筋肉だけの問題ではないということです。
もちろん、肩まわりの筋肉に緊張が起きていることは多いですし、その緊張がつらさとして表れていることもあります。ただ、そこに至るまでの背景を見ていくと、関係している要素は肩だけではありません。
事実として、肩こりに関しては
筋疲労
姿勢
同じ姿勢の持続
精神的ストレス
睡眠
身体活動量の低下
など、複数の要素が関係していると考えられています。つまり、肩こりは単一の原因で説明しにくいものです。
Côté P. et al. The burden and determinants of neck pain. European Spine Journal. 2008
ここに僕自身の臨床的な考えも加えると、肩こりは身体的な要因だけではなく、精神的な緊張や性格的な傾向、生活習慣まで含めて見ていく必要があると考えています。
例えば、責任感が強く常に気を張っている方は、無意識のうちに首肩まわりに力が入りやすい傾向があります。また、考え込むことが多い方では交感神経の活動モードが続きやすく、体が緩みにくい状態が背景にあることも少なくありません。
ただし、ここで整理しておきたいことがあります。精神的な要因や性格的な傾向が関係している可能性があったとしても、それをすぐに変えることは簡単ではありません。
そのため当院では、まず変化を起こしやすい身体の部分からアプローチしていくことを重視しています。
重心位置
姿勢
体の緊張
呼吸
立ち方や座り方
筋肉の使われ方
といった比較的変化を起こしやすい部分に先に介入することで、肩こりの改善を目指します。
3.今の体にとって都合のいい状態が肩こりを作っている
肩こりが戻ってしまう背景を考えるとき、僕が大切にしている考え方があります。それは、今の体にとって都合のいい状態が、その人の今の姿勢や筋緊張を作っているということです。
人間の体は、「今」を優先してバランスを取る傾向があります。
例えば、右足を捻挫して痛みでいつものように歩けない時、誰にも教わっていなくても痛い方の足に荷重がかからないように歩き方を変えます。右足が普段通りに使えない状態でも、どうすれば移動できるかを体が自動的に探しているのです。
このとき体は、別の場所に負担がかかることまでは考慮していません。まずは移動できることを優先します。
猫背や肩こりも、この考え方で説明できることがあります。肩こりや頭痛などの不調が起こる可能性があっても、今の体のバランスの中では、その姿勢や筋緊張の方が都合がいい状態になっている場合があります。
だからこそ、意識だけで変えようとしても、無意識の体は元の状態に戻ろうとするのです。
4.肩こりと体のバランス、そして重心ライン
ここで重要になるのが、重心ラインという視点です。
体は重心の位置に合わせてバランスを取ろうとします。立っている時も座っている時も、倒れないように無意識で帳尻を合わせています。
一般的に姿勢評価で使われる重心ラインは
耳たぶ
肩峰
大転子
膝のお皿の後ろ
外くるぶしの前
を結ぶラインです。理学療法やスポーツ医学でも姿勢評価の基本指標として用いられています。
Kendall FP. Muscles: Testing and Function. Lippincott Williams & Wilkins.
このラインが前に偏ると、首が前に出やすくなり、肩や背中の筋肉が常に働き続ける状態になりやすくなります。
5.姿勢を意識するだけでは改善しにくい理由
肩こりがある方の中には、姿勢を意識すれば良くなると思っている方も多いと思います。
しかし、意識だけで姿勢を変えようとすることには限界があります。
胸を張る
背筋を伸ばす
肩を後ろに引く
こうした部分的な意識は、体全体のバランスと合わないことが多く、結果として元の状態に戻ってしまいます。
大切なのは、姿勢を意識して作ることではなく、無意識でも力が抜けている状態を作ることです。
6.当院が全身整体を基本にしている理由
当院では肩こりに対しても、基本的に全身整体を行っています。
確認しているのは
首の位置
肩甲骨
胸郭
骨盤
足元の荷重
重心ライン
など、体全体のバランスです。
姿勢は意識して作るものではなく、体のバランスが整った結果として現れるものだと考えています。
7.まとめ
肩こりを改善しようとしてもみほぐしを受けたり、姿勢を意識したりすること自体は決して悪いことではありません。
ただし、すぐに戻ってしまう場合は、肩だけではなく体全体のバランスが関係している可能性があります。
肩こりを整えていくためには
重心位置
体の緊張
体全体のバランス
生活習慣
といった視点から見ていくことが大切になります。
今回の内容が、ご自身の肩こりや体の状態を見直すきっかけになれば嬉しく思います。
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